メーカーとしての想い
ポスタービジュアル&PV制作にかける想い

TENGAでは、ポスターやPV、店頭・Webサイトに掲示する販促物などのビジュアルも、すべて自社でデザインと制作を行っています。
「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンは、そのデザインにも色濃く反映されています。
製品の魅力をお客様に最大限に伝えるべく、細部までこだわり抜いたビジュアルを目指して。
今回はビジュアル制作にかける想いをグラフィック制作チームに聞きました。
街中に飾られても好意的に見てもらえる、一般プロダクトとしてのビジュアルを作りたい。
ポスタービジュアルやPVが完成するまでの流れ
新製品が企画されたスタートの段階では、プロダクトデザイナーが製品の試作を繰り返して、開発を進めていきます。ある程度製品のデザインや構造が形になり、コンセプトやイメージが固まると、プロダクトデザイナーからグラフィックチームに向けて、ビジュアル制作のオリエンテーションが行われます。
コンセプトやイメージをプロダクトデザイナーから聞きつつ、どうすればその製品の魅力をよりよく伝ええられるか考えながら、ビジュアルを徐々に形にしていきます。アイデアを形にしていく手法は、チーム内でも人によって様々。ビジュアルのイメージをイラストで書きながらアイデアをだしていくこともあれば、直接PCで制作に入ることもあります。試行錯誤を繰り返しながらビジュアルのイメージを固めていきます。
ある程度方向性が決定したら、いよいよ撮影に入ります。制作会社の監督やカメラマンとアイデアを出しつつ、具体的にどういう手法で撮影していくかを決めていきます。実際に撮影が始まると、自身も撮影に携わりながら、その都度指示だしを行い、作りたいイメージを実現させていきます。
ビジュアル制作時に込める思い
ビジュアル制作時は「TENGA」という枠組みを外して考えるようにしています。セクシャルアイテムだからこそ、アダルト感に繋がらないような、一般プロダクトとしてのビジュアルを作ることは常に意識しています。実際に製品を手に取ってもらうための要素を詰め込みつつ、TENGAを知らない人からも「かっこいい!」と感じてもらえるようなものを制作しています。
「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンの通り、街中にTENGAのビジュアルが飾られた時にも、好意的に目に止めていただけるようなものをこれからも制作していきたいです。
ビジュアル制作における、TENGA社ならではの強みとは
ビジュアル制作をここまで自社で行っている会社は珍しいです。一般的なビジュアル制作では、コンセプトだけ制作会社に伝えて丸ごと依頼する場合も多いです。
TENGAは創業当初からビジュアル制作を自社で行っています。TENGAの製品を一番理解していて、その魅力を最も表現できる人間は自分たち。だからこそ外部には依頼せず、自社で制作する体制がずっと続いています。細かいこだわりまでビジュアルに落とし込むことができるのは、今の体制があってこそだと思います。
制作にあたり、難しさや苦労を感じる部分
どのようにすればお客様に製品の魅力が伝わるのか、常に試行錯誤を続けています。製品イメージをビジュアルに落とし込んでいくためには、自分が誰よりもその製品を理解していないと伝えることができません。
TENGAには数多くのプロダクトがありますが、お客様はその全てを知ってくれているわけではありません。自分が作ったものがそのお客様にとっての最初の製品になるかもしれない、という想いを忘れず、独りよがりなビジュアルにならないように気を付けています。
特に制作が難しかった製品とは
これまでのTENGA製品は、ねじれる、曲がるなど動きをイメージしやすいものが多かった中、とりわけ特殊な形状であるTENGA GEOは、ビジュアル制作のアイデア出しの段階から難航していました。形状の美しさを表現するために製品を並べる、という手法はTENGA 3Dで既に行っていたため、TENGA GEOではどのような表現をすればいいのか、難しさを感じていました。
ビジュアル制作のためにイメージボードを書いたのも、TENGA GEOが初めてでした。「この星に、美しい快感を」というキャッチフレーズのもと、”荒廃した地球に最後に残ったもの”というイメージで作っていきました。プロダクトデザイナーのコンセプトを元に、チーム内からもアイデアを集めて、ようやくこのビジュアルに辿り着きました。
PVでは約800個のTENGA GEOを敷き詰めて撮影。CGを一切使用せず、ドライアイスの霧と約800個のTENGA GEOのみを使用して、幻想的な風景を作り上げました。内部をひっくり返す動きを撮影する際には、どのくらいのスピード、角度だと伝わりやすく見えるのかを何度も試行錯誤しました。
特に難しかった製品ではありましたが、完成したビジュアルは外部の方からも大きな反響をいただいたものの一つです。
制作したビジュアルの中で、一番の反響があったもの
お客様から予想外に反響が大きかったものは、TENGA SPINNERです。見た目が非常にキャッチーな製品なので、スピンギミックのひねる動きを強調してPVを作りました。「どう見てもねじれている」という視覚的な分かりやすさが、評価された理由の一つかもしれません。
ビジュアル制作の面では、他の製品と比較して特別苦労したわけでは無かったのですが、結果的には予想を超えるような反響をいただきました。ビジュアル制作において、力を入れすぎたものはかえって伸びないこともあるので、適度に肩の力を抜いて作ることも大切にしています。
完成までに必要な時間とは?
企画の方向性が固まった状態からビジュアルが完成するまでには、大体2か月程度かかります。
撮影中は、ワンカットごとに照明や配置が大きく変わることもしばしば。どんなビジュアルをつくりたいか、グラフィックの内容によって撮影の規模感も変わりますが、一つのビジュアルが完成するまでにはかなりの時間が必要です。
ビジュアルの制作に関わる人の数
社内のメンバーはもちろんのこと、スタジオで撮影する場合は、監督、美術、照明、カメラマンなど、制作会社の方々にも動いていただくことになります。
撮影場所も様々で、風景を撮りたい場合は大きなハウススタジオを使うことも。規模感は撮影内容によっても異なりますが、「一つの商品のためにこれだけの人たちが動いているんだ」ということに、チームメンバーの中でも毎回新鮮な驚きがあります。
今後取り組んでいきたいこと、挑戦したいこと
「なんとなく」商品の良さを伝えるのではなく、具体的にその製品の良い部分を伝えられるようなビジュアルを目指していきたいです。例えば「回転振動!」「ひねり回転!」のように、製品の効果がグラフィックにそのまま書き連ねてあったとしても、お客様に製品の良さがしっかり伝わるとは限りません。
その製品の効果や魅力を最大限ビジュアルにも反映できるよう、表現の方法はこれからもグラフィックチーム内で模索していきたいです。
モノに込められた想いを伝える
TENGAのモノづくり哲学「モノづくりとは、モノに想いを込めて作ること、そしてその想いを伝えること」。プロダクトに込められた想いを最大限に伝えるビジュアル制作も、TENGAがとても大切にしていることの一つです。
今回はグラフィックチームに話を聞きましたが、Instagram「みんなのTENGA製作所」でも、ビジュアル制作の裏側をご紹介しています。ぜひご覧ください。