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第2回PRIDE SCHOOL卒業生インタビュー『30代のトランスジェンダー男性(FTM)Nさん』の場合

2021年10月に開講した、第2回PRIDE SCHOOL。
約2ヶ月間に渡るスクールライフの中で、受講者はどのような学びがあり、卒業後半年以内にどのような変化があったのかを、3名の方にインタビューしました。

過去インタビューはコチラ

2人目の卒業生は、30代のトランスジェンダー男性(FTM)のNさんです。
男性として生活をし始めて10年近く経っていたNさん。ロールモデルとの出会いを求めて入学したPRIDE SCHOOLを通じて、どのような変化があったのでしょうか。

 

応募前のホンネ 〜長くLGBTの世界から離れて生活。心のどこかで引っかかっていた〜

当時転職を検討していたのですが、JobRainbowさんで求人をチェックしていた際にPRIDE SCHOOLの存在を知りました。

私は男性として生きるようになってから10年近く経っていて、LGBTの世界から離れて生活していました。それでも心のどこかでは、ジェンダーについて引っかかっていた部分もありましたね。
今まで就職活動をする際にカミングアウトをしたことが無く、今後そういった場面が来たらどうすればいいんだろう?という思いもありました。自分なりに考えはあったものの、実践したことは無かったので…。自分のロールモデルとなるような方に話を聞いて、参考にしたいと思いました。

PRIDE SCHOOLで具体的にどんなことが学べるのか、当初はイメージができていませんでしたが、「分からないなりにチャレンジしてみよう!」と応募を決めました。
当選の連絡を受けたときは嬉しかったです!しかし、JobRainbowさんがTENGAと共同開催している目的も当時は分からなかったですし、無料で受講できるのも相まって、何となく半信半疑みたいな気持ちもありました(笑)
PRIDE SCHOOLのなかで両社の社員さんと交流する機会や、このプロジェクトの経緯を聞くことができたので、なるほど〜といった気持ちになりました。

PRIDE SCHOOL発足の背景はこちら:https://tenga-group.com/news_archives/3513

 

受講中のホンネ 〜トランスジェンダー当事者のロールモデルと出会い、就活の実体験を聞けた〜

私は平日に加えて土日も仕事をしていたので、スケジュールの調整をしながら、計画を立てて課題を進めるようにしました。

私はブルークラス(PRIDE SCHOOLでは、通常の学校同様にクラス分けがあります)に所属していましたが、担任の先生をはじめ受講者の方も優しい方が多くて、落ち着いた雰囲気でした。趣味などプライベートの話もしつつ、少しずつみんなと打ち解けていきました。受講生には色々な方がいましたが、セクシャリティを意識しすぎず、その人自身としてお互いに受け入れているのが良いなと思いました。

講義の中で特に印象に残っているのは、ゲスト講師であるサリー楓さんの講義です。私は自分のロールモデルとなる人の話を聞いてみたい、という気持ちが入学前からあったので、トランスジェンダー当事者として、エントリーシートや履歴書に書く内容など、就活の実体験を聞くことができたのが、非常に参考になりました。

その中でも、「セクシャルマイノリティであることを、履歴書などの留意事項などに申し訳なさそうに書かない」とおっしゃっていたのが特に印象的でした。「セクシャリティは個性であって、企業側のメリット・デメリットに関係ない」という言葉がとても腑に落ちましたし、自分の思いを後押ししていただいた気持ちにもなりました。

最後の成果発表課題は準備を含め一番大変でした……。
私たちのチームはアイデアがどんどん出てくるタイプが少なかったので、企画立案の段階でもチーム内で中々まとまらず、悩んでいる時間も長かったです。悩んでいる際に、TENGAの社員さんから助言やフォローを頂けたのはとても助かりました!

お互いオンライン参加のため離れている環境の難しさや、お互いの予定が合わない中で協力して進めることの大変さを感じましたが、みんなで乗り越えることができました。

 

卒業後のホンネ 〜セクシャリティを無理に隠さなくてもいい。大学院へのチャレンジも検討〜

卒業してからは、具体的に就労状況が変わったわけではありませんが、自分の考え方が前向きになった感じがします。

私は最終学歴が女子大だったので、心のどこかで引っかかりもあったし、就活の際にカミングアウトしないといけないんじゃないか、トランスジェンダーであることがバレるんじゃないのかという恐れをずっと抱いていましたね。

それならもう一度進学して学歴を更新するのも選択肢の一つかと思いました。ここ10年ほど、もう一度社会学を学びたいという気持ちもあったので、今は社会人枠での大学院進学を考えています。つい先日には、オープンキャンパスにも行き、仕事と両立ができそうかも含めて調べ始めています。

PRIDE SCHOOLでは、ジェンダーの研究やLGBTに対する活動をしている若い学生のメンバーとの出会いが刺激になりましたし、大学院進学への後押しにもなりました。

また、JobRainbowさんからのお声がけを受けて、とある企業のLGBTについての新入社員研修で、トランスジェンダー当事者として登壇する機会がありました。
PRIDE SCHOOL入学前までは、セクシャリティについて自分から話すことが無かったので、人生で初めての経験になりましたね。研修で使用するスライドを作る際には、PRIDE SCHOOLでの「プレゼン力向上講座」の内容が非常に役立ちました。

PRIDE SCHOOLの経験を経て、「トランスジェンダーであることを無理に隠さなくてもいいんだな」と思えるようになりましたね。お声がけがなければ登壇することも無かったですし、受けるにあたっての躊躇はありましたが、こういったことに前向きに取り組めるようになったのも、PRIDE SCHOOLでの経験が大きいと思います。

 

おわりに 〜悩むならまずは飛び込んでみよう〜

悩みや不安がある方もいらっしゃるとは思いますが、「悩むならまずは飛び込んでみよう!」と伝えたいです。PRIDE SCHOOLに入学することで、得られるものは絶対にあると思います!

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