自由な発想で、ユーザーに喜ばれるオンラインストアを創る
公式EC本部 国内・アジアEC部
Utami 2019年 中途入社
- Profile
- 前職ではWebディレクターとして、サイトの構成とディレクション、ライティング等を担当。TENGAでは国内向け公式オンラインストアのコンテンツや商品に関する企画を担当している。
自由かつスピーディーな企画業務
現在担当している仕事を教えてください。
公式オンラインストアに関わる職務領域は大きく分けて2つあります。1つは企画職。サイトに掲載するキャンペーンページや、既存商品を組み合わせた公式オンラインストア限定のセット商品などを企画する仕事です。2つめは運用職。日々どれくらいのユーザーがサイトを訪問しているかチェックしたり、サイト内の情報を更新したりする仕事です。私が担当しているのは企画職になります。
WEBプロモーションの企画にはセオリーがあるものの、当社の場合は「ユーザーがおもしろいと思ってくれそうか」「TENGAらしいか」という観点も大切にしています。特に私が入社したときは専任の企画職がいなかったこともあって、一見すると突飛なアイデアでも、どんどん実行していく空気感がありました。クライアントワークだった前職と違って、自社のオンラインストアを自社でより良くしていく仕事ですから、自由度が高く、意思決定のスピードも非常に速いです。入社当時は「入ったばかりの私が、こんなに自由にやっていいの?」なんて思ったこともありました。
企画に粗い部分があっても、アイデアとして「おもしろいか」「TENGAらしいか」の観点がおさえられていれば、即NGにはなりません。むしろ、粗い部分をブラッシュアップして実現していくのが当たり前という雰囲気で、振り返ってみると今までに出した企画でNGが出たことは少ないですね。
企画を考えて発信するよりも、「その企画、やってみよう!」となってから、各部署と連携して実現させる方が大変です。「これはどの部署に依頼すればいい?」「スケジュールはどのくらい見込めばいい?」など、1つひとつ相談・調整しながら進めますが、想定どおりに進む方がまれで、途中で路線変更になったり、新しい要素が追加されたり。その都度、他部署と調整し直し、スケジュールを再設定して進めていきます。そのような企画を、常時2~3案件ほど受け持って同時進行させています。
自分の成長にもつながった名物商品
TENGAの公式オンラインストアには、期間限定の名物商品があるようですが。
年末のお歳暮や年始のお年賀など、日本には古くからお世話になった人に物を贈る文化があります。それらをモジって「お典雅」と名づけられた期間限定のギフト商品を、ここ5年ほど毎年リリースしています。
始まった当初は、お歳暮と聞いてよくイメージされるビールの詰め合わせセットのように、紙のパッケージに複数のTENGA製品が入っているものでした。金額にして5000円~6000円ほどでしたが、お歳暮やお年賀の平均単価は2000円~3000円という価格帯です。
単価を下げてより購入しやすくしようと、3年前から1個入りで販売することになりました。そのときに出たアイデアが、「高級ハムのお歳暮みたいなパッケージで、開けたらTENGAが入っているとユーザーにおもしろがってもらえるのでは?」というものでした。ギフト用の商品ですから、贈られた側は開けるまで何が入っているかわかりません。開けたときのインパクトを、贈る側にも贈られる側にも楽しんでいただければ、という想いから実現に向けて動き始めました。
企画を進める中で「紙のパッケージだとイマイチ高級感に欠ける」という話になり、外装は桐箱にして、内張りにはサテン生地を貼って、誰もがパッと見たらわかる赤いTENGAが入っている。そんなパッケージングにしようということになりました。そこからが大変で(笑)。
※写真はお典雅2024
新しいパッケージになるので、プロダクトデザインを担う開発部には桐箱を含むパッケージ設計を依頼したり、商品の構造設計がメイン業務の技術部には、特別なギフトとして『お典雅のクオリティ』を保てるような組立方法の考案を依頼をしたり…。
社内のほとんどすべての部署と連携しながら、実現に向けて企画を進めました。ちなみに今年のお典雅は、前年だと2ヶ月かかった販売個数を3週間で達成するほど好調な売れ行きでした。大変だったアレコレが、すべて報われたと思えるほどうれしかったです。
お典雅は名物商品であり、お客様に感動してもらえるクオリティ実現のために社長と直接細部を確認しながら進めています。そんな重要案件を入社2年目から任せていただいていますが、毎回やることが多く、がむしゃらに取り組んできて今年になってようやく落ち着いて動かせるようになりました。企画職として自分を成長させてくれたとも言える印象深い案件です。
想定どおりにならないおもしろさと、ユーザーの情熱。
TENGAのオンラインストアはお典雅をはじめとする限定商品が特徴的ですが、他にUtamiさんが面白いと感じる部分はありますか。
企画を実現するまでのプロセスが想定どおりに進まないのは上記のとおりですが、リリースした企画が想定どおりにならないのも、この仕事のおもしろいところです。
たとえば、毎年リリースしている「福袋」は、例年だとTENGAのアイテムが詰め合わされていて、普通に購入するよりお得な価格に設定しています。「松竹梅」のように、価格帯が異なる3種類の福袋を販売していますが、福袋を始めた当初は買いやすい価格の「梅」が売れるだろうから、高価格帯の「松」をどう売っていくか?を考えていました。
ところが、いざ販売を開始すると「松」が一番早く完売したんです。割引率が高いとはいえ、「松」の福袋は1個3万5000円。これが最初に売り切れるなんて完全に想定外でした。福袋の販売は3年目になりますが、毎年「松」から完売しています。当初は想定外でしたが、今ではノウハウのひとつとして想定内の動きとなってきました。こんな風に「やってみないとわからない」ことが多く、「やってみたらこうなった」という、取り組んだ経験や結果がノウハウとして蓄積されていくのも、この仕事のおもしろいところです。
それと、一般的な商品とTENGAの商品では、ユーザーの購買行動が少し違います。
一般的な商品の場合は、それを使用したときのレビューを気軽にSNSで発信してくれるユーザーがいます。TENGAの場合は、商品の特性から、SNSで使用感を気軽に発信してくれるユーザーはそう多くありません。その代わり、TENGA公式オンラインストアに会員登録をしてくださったユーザーに、モニターを依頼して当社にレビューを送ってもらうようにお願いすると、驚くほど緻密で詳細なレビューをいただくことが多いんですよ。
自分から不特定多数にシェアするのは抵抗があるものの、製造元である当社には熱く語ってくださる。そんなユーザーの行動が特徴的だと思います。こういったユーザーはロイヤリティも高いので、さらに満足度を高められるような施策を積極的に打ち出していきたいですね。
ふと立ち寄りたくなるECサイトを目指して
これからのTENGA公式オンラインストアに必要なものは何だと考えていますか。
公式オンラインストアの主目的は、商品の販売です。
そのために多彩なラインナップを揃えたり、ストア限定のセット商品を企画したり、キャンペーンやノベルティを用意したり、様々な取り組みを通じて販売実績を伸ばすことが求められます。
とはいえ、訪れるユーザーが新たな気づきや発見を体験できるような満足度の向上も、昨今のオンラインストアには不可欠になっています。
もともと「ユーザーフレンドリーなブランドでありたい」というスタンスの当社ですから、こうした満足度向上のための取り組みも積極的に進めています。
そのひとつがアンケートです。まだ不定期ですが、「みんなが選ぶTENGA」というお題で、メルマガを通じて毎回異なるテーマのアンケートを取っています。たとえば「寝る前に使うならどのTENGA?」という、商品の人気投票を行ったことがあります。多くの会員様から返答をいただき、集計してランキング形式でサイト内に掲載しました。意外だったのは、アンケート項目への回答だけではなく、逆にTENGAへの質問を書いてくださる会員様が多かったことです。
それはクレームじみたものではなく、
「他の人がTENGAをどう使っているか知りたいです」
「みんなTENGAをどこにしまっているんですか?」
「週や月ごとの使用頻度ってどのくらい?」
など、自分以外のユーザーが、TENGAとどう共生しているか知りたいという内容でした。今後はそういった観点で会員様の声を集めて、サイトを通じてシェアしていくようなコンテンツも面白そうだなと思っています。例えるなら、ラジオ番組が特定のお題でメールを募り、おもしろい内容のものがDJに読まれるようなイメージ。「みんなで語るTENGA」みたいなテーマでいろいろな意見を集めたら、きっと公式オンラインストアからユーザーの皆さんにお届けできる価値がより大きくなるはずです。
ベースの役割もチャレンジングな仕事も、楽しみながら。
このポジションの魅力を教えてください。
私はこの仕事に、いくつものやりがいや達成感を感じています。たとえば、新たな企画を考えて実現に向けて奔走しているときは、大変だけど「実現したらきっとユーザーに喜ばれる」と思える内容だから前向きに取り組めますし、企画がキャンペーンや商品という形になってリリースされた瞬間は達成感を感じます。
他にも、ページのメインビジュアルのコンセプトを考えてデザイナーに発注したり、プロのカメラマンが撮影する現場に立ち会ったりと、制作工程に関わることもやりがいを感じます。そうやって完成したビジュアルを見たユーザーからポジティブなレビューが来ると「よしっ!」と思いますし、もちろん公式オンラインストアの売り上げが伸びればうれしく思います。
要は、ひとつの企画が立ち上がって形になり、世の中に出ていくまでの間に、いくつものやりがいや達成感を味わえるという感覚です。だから企画職としてやるべき業務はしっかりと対応したいと思っていますが、もっとユーザーとの接点を増やして「このサイトだから出会えるおもしろい情報」を発信したいですし、そこからTENGAのファンが増えていったら最高だなと思っています。
公式オンラインストアは、ブランドサイトやコーポレートサイトよりユーザーに身近なサイトです。だからこそ、ユーザーの声を集めて反映しやすいですし、TENGAのオンラインストアはユーザーの満足度を高める余地がまだまだあると思っています。単なる商品販売のプラットフォームとしてだけでなく、私自身も楽しみながらファンを創り増やしていけるサイト。企画職として、そんな風に今のオンラインストアを進化させていきます。
興味があれば、ときどきチェックしてみてくださいね。