メーカーとしての想い

「生きている、すばらしさを。」 取締役/チーフクリエイティブオフィサー 宮坂佳克 インタビュー

TENGA取締役 宮坂佳克 インタビュー

TENGAでは創業以来さまざまな事業展開を行ってきました。プレジャーアイテムのみに留まらず、性の悩みを持つ人へのサポートや大切な人との触れ合いを促進する提案、アパレル、食料品、ケア用品など多岐に渡り、現在では障がい者福祉事業も展開しています。

 

TENGAの展開しているさまざまな事業は、すべて「生きる喜び」に繋がるもの。

 

この度、これまで取り組んできた事業や、これから目指していく世界に改めて向き合い、コーポレートメッセージを新たに制作いたしました。メッセージに込められた想いやTENGAが展開する事業の本質を、TENGA取締役兼チーフクリエイティブオフィサーの宮坂佳克に聞きました。

 

TENGAの本質的な存在意義は「人間らしさの解放」だと考えた

「アダルトグッズに革命を起こしたい」――。TENGA誕生の約1年前、初めて会う松本社長の熱意ある言葉に感銘を受けてから、早19年。カンパニーが営む事業全体の趣意を包括し方向性を示す、新しいコーポレートメッセージと、会社全体のパーパスを制作する運びとなり、改めて「TENGAの存在意義」や「TENGAが展開する事業の本質」といった部分にじっくりと向き合う機会を得ました。

 

その結果、僕が考えるTENGAの本質的な存在意義とは、一言で言うと「人間らしさの解放」ではないかと思いました。人が人らしく生きようとするときに、尊重されるべきことがちゃんと尊重されている状態、というべきでしょうか。

 

たとえば、美味しいものを食べたり、好きな人と一緒に過ごしたり、好きな趣味に没頭したりすることを誰にも阻害されない状態。性にまつわることを含め、好きなものを全て素直に「好き」と言うことができ、ありのまま受け入れられる状態。それが僕のイメージする「人間らしさの解放」です。基本的人権の尊重、と言い換えても良いかもしれません。

 

そんな社会を実現させるためのものづくりこそ、我々がずっと目指してきたことで、突き詰めるとそれがTENGAの存在意義なのではないかと思います。今回のコーポレートメッセージは、もともとTENGAが取り組んでいなかった新しいことを考えたわけではなく、これまでTENGAがやってきたことを改めて考えて言葉にし、そんな本質の部分を可視化できるよう努めました。

 

性が表通りに出ていくことで、楽しみ方も広がっていく

性は3大欲求の1つであり、人が人として生きるためのプリミティブな喜びに直結しています。ということは、性にまつわる幸福感は本来、人にとって大切なもののはず。なのに、なぜか表に出して言いにくいのが現状ですよね。本当は、人を傷つけない範囲であれば誰もが自由に楽しんでいいはずなのに、心の中で社会的なブレーキがかかってしまう。

 

でも「性=恥ずかしいもの」と決めつけて、人目につかないアンダーグラウンドの領域に無理やり押し込めることで、ひずみや歪みにつながってしまうかもしれません。もちろん、アンダーグラウンドな雰囲気漂うエロスの形というのはあって、それを否定しているわけじゃありませんよ(笑)。それはそれ、選択肢の1つとして楽しめるなら問題ない。でも選択肢がそれしか無いのであれば、あまり健全な状態とは言えないのかな、と。

 

性が表通りへ出ていくことで、楽しみ方も広がるはずです。「性を楽しむ」という感覚がもっと一般的なものになって、みんながそれぞれ自由なスタイルで性と関わり、自分らしく楽しめるようになれば、一人ひとりの人生ももっと豊かになるのではないか。TENGAがさまざまな事業・ブランドやプロジェクトを通して、創業以来目指しているのは、そんな社会の実現なんです。

 

 TENGA取締役/チーフクリエイティブオフィサー 宮坂佳克 インタビュー

TENGAの軸は「生きる喜び」、性はそれを支える大きな柱

今回のコーポレートメッセージを作るにあたり、TENGAという会社の本質をあらゆる角度から掘り下げました。「自分らしさ」や「性」にフォーカスした言葉もたくさん書き起こしたのですが、最終的にしっくり来たのは「生きること」をテーマにした今回のコピーでした。「生きている、すばらしさを。」という文言は、TENGAの本質をズバリ言い表していますし、自分でもすごく好きだと思えるコピーです。

 

TENGAというのは、ただ単に気持ちいいアダルトグッズを作って売りたい会社ではなくて、じつのところ「生きる喜び」を軸に動いている会社なんです。TENGAにとって一番大事なことは、世の中の人に「生きる喜び」を提供することであり、その軸を支える柱の1つが「性」という領域です。

 

この「性」という柱は、例えば肌と肌が触れ合う心地よさなど、人間のフィジカルから得られる本能的な幸福感に直結するため、普遍的かつずっと変わらない価値だと思っています。それは、事業にとって大きな強みだと僕は思っています。

 

TENGAカンパニーは大きく成長し、今やアパレル事業や障がい者福祉事業といった様々な分野に携われるようになりました。外部の方の中には、「何故この事業をTENGAが?」と不思議に思う方もいるかもしれません。でも僕たちにとっては、とくに不思議なことではないんです。それは、TENGAの全ての事業が「生きる喜びを提供したい」という1つの理念から派生したものだから。

 

コーポレートメッセージを通して、TENGAがどんな世界を創っていきたいか、その本質を大切にし続けていきたいと願っています。

 

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